障 害 年 金 の 話

― 20歳を迎える皆さんとそのご家族のために ―
 
 

第4章 手続きの進め方   

 

2.市役所や年金事務所に行って必要書類をもらってくる  

 ではいよいよ手続きに入りましょう。

 発達障がいの方は別ですが、知的障がいの方で障害厚生年金に該当する方はまずおられません。

 

 そのため国民年金の障害基礎年金を念頭に置いてお話しします。

 いつ頃から準備を始めれば良いのでしょうか?

 

 20歳の誕生日の3か月ほど前に、日本年金機構から「国民年金加入の案内」が届きますので、これを合図と考えれば良いと思います。

 まず市町村役場(地域によっては年金事務所でも可)に行って、国民年金加入手続きのついでに障害基礎年金請求のための書類をもらいます。

 窓口では「知的障がいで、20歳前の障害基礎年金の請求をしたい」とお話になれば良いでしょう。

 

 最近は役所の窓口にも専門職(社会保険労務士)が配置されることが増えましたので、間違いは少なくなったと思いますが、以前は窓口で間違った説明をされることがありました。

 例えば、 「初診日の証明が必要です。」 とか、「現在厚生年金に加入中なら厚生年金で請求してください。」 等々です。

 いずれも原則だけを勉強して、知的障がいの特例的扱いをご存じない場合です。

 

 こんな時は怒らずに、「先天性の知的障がいの場合の初診日は誕生日となっています」と説明してみてください。

 窓口では色々と書類をくれます。

 

 そのうち中心になるのは「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」です。

 その時、担当者から「まず医師の診断書をもらってから、病歴・就労状況等申立書を書いて・・・」と説明されることもあるようです。

 しかし、これはあまり賢明ではありません。

 私はまず、医師用資料を作ります(次項参照)。

 

 なお、20歳からは保険料(掛け金)を払わなければなりませんが、障害基礎年金を受給できた場合は、「法定免除」といって、年金支給決定時に遡って保険料が免除になり、保険料が還付されます。

 それならば払わずに保留しておいたら良いと考えるかもしれません。

 ただし、レアケースになりますが、障害基礎年金の請求結果がでるまで保険料支払いを保留していて、もしその間に別の障がいが発生しても障害年金の対象にならない、という場合もあり得ます。

 

 とりあえずは通常の加入手続きをされたら良いでしょう。

 療育手帳をお持ちの方は、療育手帳更新時の心理判定の結果を「IQ証明書」として発行してもらうと、年金用診断書の作成の手間が少なくなります。

 各自治体の判定機関に問い合わせてみてください。

 

     
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