障 害 年 金 の 話

― 20歳を迎える皆さんとそのご家族のために ―
 
 

第3章 知的障害の方(精神遅滞)の場合(無拠出年金)  

 

 さて、ここからがこの文章の本当の本題になります。 

 第2章の話を踏まえると、知的障がいの方の障害年金請求の条件はどうなるのでしょうか?

 その前に、「知的障がい」という言葉について少し説明しておきます。   

 

 「知的障がい」というのは行政用語だと思ってください。     

 以前は「精神薄弱」と言っていましたが、「知的障がい」と言い換えられました。   

 文字通りに「知的障がい」を理解すると、知的な障がいですから、認知症や発達障がいなども入ってしまいそうですが、そうではありません。   

 

 「知的障がい」はあくまでも昔で言う「精神薄弱」だけを指しています 。   

 

 なお、現在では病名としても「精神薄弱」という言葉は使われず、「精神遅滞」という言葉が使われることが多いと思います。     

 それから、知的障がいというのは「発達期に原因がある」ことが前提になっていますので、当然に20歳未満で発症することになります。    

 つまり「初診日が20歳前にあるはずの障がい」なのです。    

 

 以前、ある年金事務所に相談に行かれた方から、窓口で「20歳を過ぎて知的障がいになることもある」と言われたという話を聞きましたが、これは論外です。    

 

 ちなみに成人期以降に知的能力が低下する場合は「痴呆」あるいは「認知症」と言います。   

     
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