障 害 年 金 の 話

― 20歳を迎える皆さんとそのご家族のために ―
 
 

第4章 手続きの進め方   

 

3.医師宛の資料を作る  

(2)日常生活能力  

 ア.「できる・できない」の判断基準は一人暮らし

 

 診断書をよく読むと、「日常生活能力の判定」の見出しの下に、「判断に当たっては、単身で生活するものとしたら可能かどうかで判断してください。」と書かれています。

 つまり、ここで評価される内容は、「実際の今の生活でできないこと」ではなくて、「ご本人が一人暮らしをしたとしたらできるかどうか」ということなのです。

 

 でも、普段親御さんと一緒に暮らしていると、親が手伝っていることや、家庭内での特別の配慮が当たり前になっている場合が多く、できないことと言われても特に思いつかない、ということが多くあります。

 そこを何とか想像力をたくましくして、ご本人がマンションを借りて、たった一人で生活を始めた場面を思い浮かべてください。

 もちろん家族がのぞきに行くこともありません。

 

 誰も助けに来ません。

 だとすると、どうなるでしょうか。

 「適切な食事」とは、単に食べ物を自分で自分の口に運ぶことではありません。

 

 お腹がすけば、適切な時間に、栄養価や適量を判断して、自分で食事を用意しなければなりません。

 自炊が無理なら外食や弁当等を買ってくることになりますが、いつも同じものでは困ります。 

 外食ではマナーも大切ですし、食後は後片付けも必要です。

 知的障がいの方の障がい程度で問われるのは、手足の動きではなく判断力なのです。

 「身辺の清潔保持」以下の6項目も同様に、通常の判断力が発揮できるかが問われているのです。

 

     
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